「漢字ってカッコイイ」と思い始めたのが高校生の時です。
活字しか知らなかった当時の私は、何とか硬い外見の漢字とイラストをうまく融合できないかと試行錯誤していました。
ところが、社会人になってから「書のアート」という分野がある事を知り、『五体字類』という辞書から草書の崩し字を探し、
イラストに使えそうな面白い字体をピックアップして、自分の作品に取り入れるべくアレンジできるようになりました。
出来上がった作品数はまだ多くありませんが、年賀状やTシャツ名刺など、自分の活動や生活の中にゆるっと取り入れています。
本当はポケモンの様に体系立てて沢山作れたらと思った時期も有りましたが、どうしても生み出すのに時間がかかります。
ひとつひとつの文字から、世界観を大事に丁寧に作品作りをするのが、この表現方法には合っているように思います。
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以下の作品は、私が2020年まで社会人学生として受講していた通信制の芸術大学で制作した卒業作品です。
職業的スキルアップや一段上の仕事に就くために入学したのですが、学びの集大成としての作品には、
高校時代からずっと作品として形にしたかったという願いも有り、「書のアート」を取り入れました。
それと同時に私は日本文化を愛しており、「これこそ日本文化だ!」と胸を張って言えるテーマを考えたときに浮かんだのが
「祭り」でした。祭りといえば、神輿や神楽舞、太鼓といった象徴的な要素が思い浮かびます。
これらと書のアートをどのように融合させるかを模索しました。
漢字は、歴史を紐解くと元々神とのコミュニケーションを目的としたツールであり、
主に祭事に使う神具に書き記されていたといわれています。
祭りと漢字の両方が、元来神との交流を目的としていた点に着目し、それらをテーマに作品を制作しました。
表現方法は、「KOUSHIN」という音の響きと「行進」「降神」「交信」の文字を三貴神の動きと重ね合わせた、
5枚組のキャンバスパネルです。
外側から中心に向かって40×60cm、40×80cm、40×100cmで、実物は文字の所が塗料の反射で光ります。
本来なら、本校キャンパス内に展示されるはずでしたが、丁度コロナのパンデミックの影響で2年も展示会が開催されず、
web展示会蚤の掲載となりました。
ですが、この作品は実物にこそ作品に込めたギミックが活きるので、
いつか展示会を開く機会があれば、一番目立つところに飾りたいと考えています。
KOUSHIN